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更新日 : 2020年11月11日

防災セミナー「コロナ禍における避難対策・避難所の実態と在宅避難」を開催しました

防災の日の9月1日、パソナグループ環境委員会主催の防災セミナーが、リアルとオンラインで開催され、約600名が参加しました。
セミナーテーマは「コロナ禍における避難対策・避難所の実態と在宅避難」。大地震、台風、噴火などの自然災害はいつ起きてもおかしくありません。今回のセミナーでは、ソナエルワークス備え・防災アドバイザーの高荷智也氏を講師に迎え、災害時の避難生活をどうするか、現状と問題点、準備すべきことなどについてお話しいただきました。

 

まずは、避難生活について。
避難する場所は、避難場所と避難所という2つの種類があります。避難場所は命を守るために緊急避難する場所のことで、各地域のハザードマップで確認できます。避難所は生活ができなくなったときに身を寄せるところで、最寄りの学校や公民館が基本です。

避難所は、自宅が無事であれば行く必要はなく、また行けば必ず入れるというわけでもありません。東京を例にとると、避難所は都内に約3,000か所。収容できるのは約317万人と言われており、およそ住民の2割です。ただ、今は新型コロナウイルス対策で、収容定員は減っています。そして、運営をするのは住民なので、全員が運営者という意識を持つことを忘れてはなりません。

一人当たり畳一畳分のスぺ―スで、短期間の場合は施設の床で寝泊まりし、長期になったときは簡易ベッドが入ります。トイレは50人に1基、水は一日3リットル、食事は、乾パンやアルファ化米となります。
これらは短期滞在の想定で、最大1週間しのぐための基準となっています。7日以降は避難人数が減ったとしても、避難所自体が統廃合されるので快適になるわけではありません。大規模災害時の避難所環境は不便で、決して衛生的だとは言えないと思ったほうが良いようです。

また、災害そのものではなく、避難生活で命を落とす方も多くいます。持病の悪化、過労死、事故死など災害関連死と言われる要因が全体の2割も占めています。
エコノミークラス症候群は、よく知られていますが、避難中も、水分補給と運動は重要で、非常用トイレの準備と飲料水は欠かせません。
廃用症候群(生活不活発病)というものもあります。人は、動かない生活が続くと、動けなくなります。そのため、それぞれの人に役割を与え、動かないということがないようにする必要があります。
歯磨き、うがいができなくなると、歯周病菌が繁殖しますので、口腔ケアを大事にする。歯磨き、うがい、オーラルケアを促し、お水のいらない歯磨きなどを準備しておくのもよいでしょう。
慢性疾患や持病が悪化しないように、自分が何の薬をどのぐらい飲んでいるかを把握しておくと、いざというとき薬を入手するのが楽にできます。
そのほかにも避難所で気を付けなくてはならないこととして、食中毒やインフルエンザ、熱中症や低体温症、アレルギーのほか、プライバシー問題や、盗難などの犯罪もあります。

こうした不便な避難所生活を送らないためにも、避難所に行かないようにする準備が必要です。
対策としては一時的離脱(被害のあった地域以外に行く)や、自宅で在宅避難をすることを考えておきます。

在宅避難に必要な準備は、建物対策(新耐震基準をクリアしている)、室内対策(家具の転倒防止、荷物の固定、ガスの飛散防止、火災の初期消火)、情報収集(スマホの充電器、ラジオ)、防災備蓄などです。

防災備蓄は、家族にとって必要なもので、これがなくなると2次災害が起こるものを前提にします。

個別用品(これがないと生活できないもの)
眼鏡、コンタクト、補聴器、杖・歩行補助機、ストーマ装具、在宅医療機器のバッテリー・生活物資、薬、おむつ、ミルク、介護用品、ペット用品等

インフラ代替品
電気・ガス・水道は3日分(何一つ手に入らないことを前提に、そのまま食べられるものを中心に準備)、あるいは一週間分(日常備蓄の概念で、普段食べているものを多めに準備)、可能なら数か月分。
電気、ガスの代替になるカセットコンロとガスボンベは1日あたり1~2本。
水は1日1人3リットル必要です。

非常用トイレは、最低1週間分1名5回7日以上 凝固剤と袋を用意しましょう。

生活物資は、ローリングストックをしていきます。これは、普段から消費するものは普段から多めに買うようにして回していけば容易です。
生もの以外は、食品の買い置きを多めにしましょう。非常時に普段と同じ食事を摂るのがストレス対策に有効です。日常備蓄なら、期限管理が不要なことも利点です。

これらを前提に準備を考えましょう。

まとめると…。

(1)疎開先を定めておく
(2)在宅避難のための対策
(3)各家庭で重要ものを準備
(4)インフラ代替品を用意
(5)日常備蓄で消耗品を確保

皆様も、準備を怠りなく!

 

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