僕は４つの大学でゼミを持っていて、「働くとは何か」ということについて
学生たちとよく話をします。
学生たちに「なぜ働くのか」とたずねると、何と答えると思いますか。
生活していくため、将来のため、自立するため・・・。
そうかもしれません。
僕自身は35年前の学生時代、
卒業寸前まで働くということについて真剣に考えた経験はありませんでした。
「卒業して、就職して、それが生活だ」ぐらいに考えていて、
いろいろな会社を回って就職活動をしているうちに疑問がわいてきた。
なぜ、この時期に就職活動をするのか。
なぜ、終身雇用なのか。
どうして、女性が働くのはこんなに大変なのか。
「その疑問を解決するために、人生をかけてみたらどうか」と父から言ってもらって、
自分で会社を起こすことにしました。
さらに父は「若いときの苦労は買ってでもしろ」とよく言っていました。
今とは時代が違いますが、そのように教えられました。
若者たちの未来はこれからです。
新卒で就職できない若者がたくさんいる現状を、
社会が悪いとか、景気が悪いからと言ってばかりはいられない。
本人たちも、卒業するときに、
ただ、安定しているからとか、楽そうだからとか、
福利厚生がいいからとか、大企業だからということで就職先を探すのでなく、
自分は何をしたいのかを考えてほしい。
よりよい社会に変えませんか。
自分の欲ではなく、
他人のために働いた結果は「先義後利」としてきっと返ってきます。
それほど豊かな人生はないと思いませんか。
若者には、正々堂々、大義名分という正正の御旗を立てて、
堂堂の陣を張って人生を歩んでいってほしい。
ぼくはそう願っています。