ビッグデータ、AI、5G、ソサエティ 5.0など、世の中は大きく変化しています。
私は常に「社会の問題点を解決する」「人を活かす」という理念のもと行動していますが、こうした変化に対応して、私たちの事業や仕事の進め方も変えていかなければなりません。
そこで「挑(いどむ)」、挑戦の「挑」という字を、今年は心に刻みました。
志を高く持ち、社会の大きな変化に対応して新しいことに挑戦する1年にしていきたい。なぜなら挑戦した者のみが、未来の兆しを自らの手で掴むことができるからだと考えるからです。
未来の兆しは、今、目の前にある何気なく見ているものの中から予感することができます。つまり今を見る力を持っている者が、未来を創ることができるのです。
その「兆し」をしっかりと掴み取って、変化に向けて「挑戦する」。そんな一年にしてまいります。
しかし、人は新しいことに挑戦するときに不安になります。本当にこの方向が正しいのか…、失敗するのではないか…。
不安というものは、無知から生まれるのではないでしょうか。ということは、人は知識を得ることで、自信と勇気が湧いてきて、不安を克服することができます。
知識をつけるためには、いくつかの方法があります。本を読むこと、勉強会や会議に参加して色々な人とコミュニケーションをとって新しい知識・情報を得ること。そして、もう一つ、自分の心の迷いを取り払い、一歩先に踏み出す勇気を得るために必要なのがメンターの存在です。
私には、2人のメンターがいました。1人は、私の父です。
私はパソナグループの創業時に、父から「企業という車は、利益と社会貢献の両輪相まって前進する」という言葉をかけてもらい、それが経営哲学となって誇りと勇気が湧いてきました。
もう1人は、マサチューセッツ工科大学やハーバード大学のフェローを務められ、ピーター・ドラッカーの書籍『現代の経営』を翻訳した野田一夫先生です。多摩大学、宮城大学、事業構想大学院大学と、3つの大学を創られた「ベンチャー学長」とも言うべき方です。
「夢の延長線上に志がある。志は社会を豊かにする。大きな志を持て」「流行に流されず、風評に惑わされず、定説に屈せず、権力に服さず」そして、「南部、戦え」と常に私に勇気と元気を与え続けてくれます。
「戦え」ということは、「挑む」ことにほかなりません。
今年もどうぞ、よろしくお願いいたします。