世田谷パブリックシアターとパソナグループによる共同制作の舞台「CHIMERICA(チャイメリカ)」が、世田谷パブリックシアターで2019年2月24日(日)まで上演されます。
この作品、現代英国演劇界でもっとも注目される女性若手劇作家ルーシー・カークウッドが2013年に発表し、ローレンス・オリヴィエ賞最優秀新作演劇賞など数々の賞を受賞しています。
天安門事件で買い物袋をぶらさげ戦車の前に立ち尽くす中国人男性(通称、戦車男)と、その瞬間をカメラでとらえたアメリカ人ジャーナリスト、ジョーのその後の物語。
本邦初演です。
出演に、「おっさんずラブ」で人気沸騰中の田中圭をはじめ、満島真之介、倉科カナ、眞島秀和といった面々が登場します。
栗山民也さんの演出は、上下二つに割ったセットが効果的に使われ、場面転換がスピーディーで観客の気持ちを途切れさせることがありません。舞台は洗練され、シンプルで美しい。
話が複雑に絡み合い、緊張して観ていないとわからなくなるほどです。3時間以上の長丁場は、観ている方も、演じている方も、真剣勝負です。
ジョーを演じる田中圭からはジャーナリストの苦悩と野心を感じさせるだけでなく、男の色気が立ち上ってきます。倉科カナも大熱演。満島真之介も「この作品に運命を感じる」というほど、力を入れて準備しました。そこに瀬戸さおりの清潔な存在感が加わり、周りを固める俳優たちすべてに目が離せません。
天安門事件は、1989年の出来事です。いまでは知らない人も多い歴史的事件を背景に、20年後のニューヨークと北京を行き来しながら、時代も交錯し、皮肉とユーモアを交え、観客に「自由とは」「世界とは」「人間とは」何かを突きつけます。
公演は、東京の後、愛知、兵庫、宮城、福岡と回ります。どうぞ、濃厚な時間をお楽しみください。
HP:https://www.a-tempo.info/chimerica.html
*2019年2月8日現在の情報です。